【大腿骨頭すべり症の原因と症状】
大腿骨頭すべり症は、大腿骨骨頭の骨端が、後ろの方にすべってしまう疾患です。
アジア人には少ないと言われており、日本にはそう多い患者数とは言われていません。
2本での発症率は約0.003%であり、近年は肥満の子供が増えていることから増加傾向にあると言われています。
小学校高学年から中学生の男の子に多い傾向があり、体の大きな子供に発症しやすい傾向があります。
また、スポーツをしている子に多いとも言われています。
大腿骨頭すべり症の原因は、まだはっきりとしたことがわかっていません。
成長期に起こる疾患なので、成長ホルモンの何かが原因となっているのではといわれています。
今現在言われている原因は、骨端線の強度にかかわる体質的要素が骨端線を弱くしてしまうことに原因があるのではといわれています。
その負担により、日常生活の負担に耐えられなくなることで、疲労骨折に似たような症状を発揮するのではないかといわれています。
大腿骨頭すべり症の症状は、ケガや運動をきっかけに発症する場合は足を引きずる症状、ヒザや股関節、臀部の痛みを発症します。
以下のような痛みが出ると、大腿骨頭すべり症の疑いが考えられます。
・股関節の違和感や疲労感
・股関節の痛み
・膝の痛み
・股関節の内反
これらが、発生します。
1つでも症状が出ている場合は、大腿骨頭すべり症を疑って検討をしましょう。
診察は、レントゲンを撮って判断します。
おかしいなと思ったら、すぐに専門医の診察を受けるようにしましょう。
【大腿骨頭すべり症の治療】
大腿骨頭すべり症の治療は、急性と慢性で異なります。
・急性の場合
急性にずれが生じた場合は、痛みが強く出る傾向があります。
そのため、比較的診断がしやすく素早い判断とすることができます。
牽引療法を行い、麻酔をかけて優しく整復します。
ずれが戻ると、再びずれないように骨端線を貫くようにスクリューで固定します。
骨成長が終了した後、スクリューを抜きます。
・慢性の場合
慢性の場合は、時間をかけて長い間にずれが生じています。
長い間症状が起きているので、激しい痛みは出ない傾向があります。
しかし、ずっとジワジワ影響を与えてきたので、診断はむずかしいことがあります。
骨端線の変形がひどい場合は、骨切りを手術を行って変形により股関節への影響を与えないようにします。
骨切り後の金属は、骨成長終了後に取り除きます。
大腿骨頭すべり症は、無理な整復をしては絶対にいけません。
そのため、信頼できる医者に診断と治療をしてもらわなければいけません。
信頼できるドクターに頼んで、改善してもらいましょう。
いかがでしたでしょうか。
大腿骨頭すべり症は骨がずれているので、痛みや関節の動きの異常などが起きてしまいます。
放っておくとどんどん悪化してしまうので、おかしいなと思ったら専門医に相談をしましょう。
将来のお子さんに弊害を与えないよう、適切なタイミングに処置をする必要性があります。