すべり症・腰椎分離とは、一体どんな病気なのでしょうか?
【すべり症、腰椎分離って?】
人間の腰(背骨)は、26個の椎骨という小さな骨が連結して出来ています。
頚椎が7個、胸椎が12個、腰椎5個、さらに仙骨、尾骨となり、骨盤に連結しています。
さらに、椎骨と椎骨の間には、クッションの役割りをする椎間板がサンドされ、滑らかな動きをサポートしています。
そして、椎骨は、椎体と椎弓から構成され、その間に管があって、脊髄が通っています。
すべり症、腰椎分離症とは、この連結が断たれ、椎体と椎弓が離れたり、滑ったりする状態を言います。
主に、第五腰椎で起こりますが、女性に多い変形性すべり症は、第4腰椎で発生します。
【すべり症、分離症の違いは?】
いずれも症状が似ているため、同じものだと勘違いしている方も多いようですが、根本的には、全く違う病気です。
分離症とは、椎骨棘突起が折れて、腰痛が起こりますが、すべり症とは、椎骨がすべることで腰痛が起こります。
根本的には、全く違いますが、症状はほぼ同じです。
激しい痛みはないものの、次のような症状が確認できます。
・腰椎分離すべり症
身体を前にかがめたとき、腰のハリ、ツッパリ、不安定な感じがする
・腰椎変形すべり症
長時間たつと腰痛やお尻付近に痛みが強く現れる、足に痺れが出る
・先天性腰椎すべり症
もともと腰椎に形成異常がある場合で、お尻が他の人よりも突き出した姿勢になる。
腰痛や下肢の痛み、しびれがある
・外傷性腰椎すべり症
怪我などが原因で、骨がもろく、腰椎がすべる
【すべり症などの治療は?】
現在、保存療法、手術療法などがあります。
1・安静
まず先に行なわれるのが、安静です。
腰に負担のかかることをすべて排除し、痛みを伴う部分の症状を和らげます。
運動や重労働などの方は、特に神経への圧迫を取り除くための制限がかせられます。
2・薬物療法
激しい痛みで、日常生活に支障をきたしている場合には、お薬で痛みを抑える対症療法ができます。
内服薬のほかに、胃への負担を軽減する座薬もあります。
お薬については、副作用のリスクもありますので、医師としっかり相談した上で取り入れるようにしましょう。
3・装具
腰の動きを制限する方法として装具が用いられます。
ただ、コルセットなどを長期にわたり使用することで、筋力の低下などが起こるため、運動療法と一緒に行なうことが重要。
4・運動療法
痛みが和らぎ、運動が必要となった場合には、背筋、腹筋を強化し、骨を支えられるような身体作りを行ないます。
ただし、自己判断で悪化の危険性もあるので、指導の下安全に行ないましょう。
5・整体、接骨
薬や器具を使用せず、手技で施術を行なうのが特徴。
病院の治療と併用する事も可能です。
ただし、利用する機関選びを間違えると症状の悪化というリスクもあります。
実績、経験、口コミ(クチコミ)等事前にしっかり調べてから利用するようにしましょう。
すべり症は、老化や筋力の低下、腰への負担等によって、発症のリスクが高くなります。
また肥満など腰に負荷をかけるような生活習慣に置かれている場合も、他の人に比べてすべり症になりやすい傾向にありますので、規則正しい生活、食生活を今すぐ見直し、年齢に関係なく、元気で丈夫な身体を長く維持できるようにしましょう。